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ピラティス技法・技能

ピラティス技法

技法とは、技術的な方法・手法のことです。技能の手順の最適化のことも指します。同じピラティスでも、哲学・考え方・体の捉え方の知識や認識によって技法は変わってきます。プライベートスタジオエアーで扱っている技法・考えを紹介します。

STOTT PILATES

STOTT PILATESは、カナダ・トロントに本部があるピラティス流派の一つです。ピラティスと科学(人体力学:バイオメカニクス)を統合してクライアント個別にフィットしたピラティスを提供することができます。

「関節安定性」については、Panjabi’sの脊柱安定の概念を引用しています。関節が安定するためには、「脳・神経」「筋肉」「骨格」に相互作用が大切だよ、という内容です。

ピラティスは、生徒さま自身も修正を意識して動きます。考えることを介しながら動くことで関節が安定する場面を多くしていくことができます。

「動的安定性」については、Diane Lee(カナダの理学療法士)の概念を引用しています。動きの安定のためには、「構造学的」「力学的」「神経」「感情と意識」が大切だよ、という内容です。

特徴的なところは、「意識と感情」です。良い意識や感情が動きにおいて正の助けになると考えています。怖い時・びっくりした時・否定された時には筋肉がこわばって動きが硬くなっていしまいます。「もっとこうできる」「こうすると出来ます」前向きな言葉を選ぶようにすることで、楽しさ・喜びを感じながら「意識・感情」を介してレッスンの質を高くしていくという考え方があります。

1対1 に特化したレッスンが行えて、「動きの中の安定」を探求できるスタイルがSTOTT PILATESです。

マインドボディー

心(精神)と体について。心身相関という熟語があるように心と体は繋がっています。気分が良くないと動きたくなくなります。反対に、動いたり・姿勢が整っていると気分が良くなります。ピラティスを含めて運動は心(精神)へ良い影響を与えることが出来ると考えます。

一方、精神と聞くと、「なんだろう」と思うと思います。

精神力といえば、克己心とストレスを昇華させる力と考えています。

昨日(または、この前)よりもちょっとでも良くなろうという心持ち(克己心)・ストレスを自分にとって身になる方法で解消できる術を持っている・またそのようにして解消している状態を「精神力が強い」と考えます。

ストレスはみんな何かしら持っています。それを解消したり上手くマネジメントできる人は精神力が強いと思います。

対人のコミュニケーションの中でストレスを感じる時、ある人は相手の不足を追求したり・上手く自分の都合の良いように納得するように言い訳をつけてストレスから逃げるかもしれません。またある人は、自分に目を向けて自分の不足を受け止めて次に生かそうとスキルを身につける努力をするかもしれません。

客観的に「楽しそうだな・なんか幸せそう」と感じるのは、後の方の人です。

ピラティスでは、自身の体の部分に目を向けることで、動きの中で自分の意識の不足を修正したりします。他ではない、自分の体を上手にコントロールしていくことで客観的な自分を身につけて、楽しんでもらうことが出来ます。

体について自分に目を向けた経験が、日頃ストレスがあったときに周りに発散しすぎず適度に自分に目を向けることができる姿勢(ストレスを上手く管理できる)になる事を期待しています(精神的な強さ)

ピラティスを通して自分の体へ意識する場面を持つこと・少しずつエクササイズの上達を目指すことで、自分に少し立ち向かう場面を持ってもらいたいです。前より良くなろうとする気持ちや、ストレスをコントロールできる術を持ってより自分を好きでいて欲しいです。このようにして、ピラティスで心(精神)も鍛えることができます。

自分に目を向けて(受け止めて)行けるようにと暗にさりげなく思ってレッスンしています。それをサポートして行けることは、ピラティスの良さだと思っています。

身体感覚について

「姿勢の修正ポイント」「体に沿った矢印の感覚」を伝えること・それを見つける探求を楽しんでいます。「姿勢の修正ポイント」は、例えば「脇を後ろで閉じる」「鎖骨を開く」などポジションを作るために必要な意識です。

「体に沿った矢印の感覚」は、「胸を引き出す」「腿を骨盤へ引き込む」など動きをイメージしたりするために必要な意識です。

プライベートスタジオエアーでは、身体感覚を生徒さまと共有してレッスンしています。ピラティスを実践していく中で見つけている感覚なので、自分自身楽しんで発見したりしています。

アイソレーション

アイソレーションは、「分離」の意です。ピラティスでは、個別で背骨を動かしたり節々を動かすことから取り組みます。そして、STOTT PILATESはこのアイソレーションを正確に行うところに特徴があると思います。

体が硬くなって、自分の得意な部分で動いてしまうことによって、その部分を痛めてしまったというケースの方に対して、硬くなった部分の「分離運動(アイソレーション)」を入れて動きのバランスを修正できることは、ピラティスインストラクターの技術の一つだと思います。

インテグレーション

初級のエクササイズでは、ある単一の部分を動かしたり力を入れることが多いです。中級以上になると、ある部分を動かしながら他の部分も動かすというような協調した動き(コーディネーション)が増えてきます。初めは、分離した運動から体の複数部分をコントロールする統合した動きに発展します。この発展を「インテグレーション」と言います。

初級エクササイズで意識して動かした筋肉や関節の動きを使って、中級以上のエクササイズを行います。初級では、動きと筋肉が連動するように取り組みました。中級以上になると、動きに筋肉が反応するような形で「動きの遂行」に力を入れると良いと思います。

初級の時に身につけた「ここの筋肉で」と考えるあまりに動きがぎこちなくなることがあります。動きが複雑になるので、考えることが多くて動きが止まってしまうことがあります。理解できないと動けなくなってしまうことを避けて進めるように、中級以降では「綺麗な動きができている時に、結果的にたくさんの筋肉が働いている」という説明を生徒さまにする必要があると思います。

アイソレーションとインテグレーションのバランスをとってレッスンすることで、より発展した動きをサポートできると考えます。

呼吸

呼吸は、体を動かしやすくするために大切だと思います。

  1. 肋骨を柔らかくすること
  2. 自律神経に影響を与えること
  3. 良い動きを体に馴染ませるように

ピラティスの呼吸を意識して行うことによって、肋骨の柔らかさを引き出します。肋骨の間に肋間筋がありますが、固い人が多いです。呼吸によって肋間筋を動かして柔らかさを引き出すことが出来ます。また、肋骨の付け根は胸の背骨にあるので、呼吸によって肋骨が動くと胸の背骨も動きやすくなります。胸の背骨には、自律神経が集まっているので影響を与えることが出来て気分のコントロールに役立ちます。

ピラティスは、体の部分部分を繋げて協調的に動きます。足を動かしながら腕や背骨を動かしたりします。すると日頃の何気ない動きの中でも使われている筋肉が増えて筋肉代謝が上がります。またレッスン中に意識して呼吸をすることで、筋肉のつながりを体に馴染ませていくことが出来ます。日頃、日常で体を動かしているときにも呼吸は必ずセットで行なっているからです。

ただし、中級以上のエクササイズでは呼吸の指示が動きをぎこちなくしてしまうこともあります。筋肉の意識の時と同じように呼吸を意識しすぎるばかりに動きがぎこちなくなることもあります。

それは、中級以上は体を動かす場所が多くなるからです。中級以降では、「綺麗な動きができている時に、結果的にたくさんの筋肉が働いている」という説明を生徒さまにする必要があると思います。

そこに呼吸をつけていくようなイメージでうまくいくことが多いです。どのタイミングで呼吸を付け加えていくか考えることがレッスンの中で大切だと思います。

ピラティスが上手とは

「高く脚が上がる」、「開脚で脚をたくさん広げれる」とかではないと思います。シンプルに「背骨・骨盤を安定させながら腕・脚を動かすことができるか」というお題と「背骨・骨盤の動きとスピードをコントロールできるか」というお題を意識しながら動けている状態が、ピラティスが上手だと思います。

だからこそ、リハビリ後や高齢・運動が久しぶりに方からスポーツ選手まで幅広く愛好してもらいたいです。動きの幅を確保しようとするよりも、「背骨・骨盤のことを気に留めながら腕や脚の動かす」ことが大切です。

「こーんなに、脚が上がっているけど腰が丸まっている方」より「たとえ少ししか上がってないけど背骨を立てて居れる方」の方がピラティスでは上手だと思います。

自分の背骨や骨盤のこと肩甲骨や膝・つま先の向き、、など考えて強調して動けていることがピラティスが上手な様子だなと考えています。

ピラティス技能

技能とは、能力の要素の一つです。練習によって習得可能な能力を指します。

ピラティスティーチングの中の技能をお伝えします。インストラクターには、精度の良い「知識」「技能」「態度」が大切だと思います。

キューイング

キューイングは、「きっかけ」「手掛かり」「指示」のことです。インストラクターのキューイングに沿って生徒さまは動きを表現します。

キューイングには

  1. バーバルキューイング
  2. ビジュアルキューイング
  3. タクタイルキューイング
  4. イメージキューイング

があります。インストラクターがイメージした動きを生徒さまが表現してくれるように言葉を操ります。

はじめのうちは、「あれ、そういうことじゃなかったけどな」と小さな失敗もあるかもしれません。どういう言葉回しをすれば上手に表現してもらえるのか考えながら自分のスキルを上達させていきます。「伝わる」そして「表現(動く)」してもらえるところまでがゴールです。

インストラクター自身の探求として自分に求めていくものです。

フィードバック

綺麗な動きを表現していただくことができるようにキューイングを磨けたら、その動きが定着できるようにピラティスの原則を通じてフィードバックします。「今の動きは骨盤がニュートラルに保てていたので良かったですよ」のように生徒さまの動きに対して肯定的なメッセージを届けます。

現在の到達度を生徒さまと共有したり、「次はこうしましょう」と次回の目標を共有したりできます。さりげないモチベーションのマネージメントも提供できます。

「これは違うので、こうしてください」のように否定的なメッセージより受け入れてもらいやすい表現にして届けるように工夫しましょう。

ただし、マシンの説明で注意喚起するときやレッスンがインストラクターからの一方通行になってしまっている時には注意を向けるために使うこともあります。

フィードフォワード

動きの中の逸脱を経験すること、姿勢の種類によって修正するべきところを経験することによって予め動きの前に予想される修正ポイントをお伝えすることができるようになります。

これをフィードフォワードのキューイングと言います。予めお伝えしていたポイントの通りになった経験から生徒さまはインストラクターを信頼してくれるかもしれません。また、生徒さま自身に体の探求を楽しで頂ける機会になります。

生徒さまが「こういうことかな」を考えて、その動きがよく行えていたら「そういうことです」とフィードバックしてあげてください。「こういうことかな」の探求を予め提供できることでレッスンの流れをスムーズにコントロールすることができます。

こちらは、観察と経験によって行えるようになります。注意深く動きの逸脱と姿勢を観察するようにしていきましょう。

ノンバーバルコミュニケーション

コミュニケーションとは、「意思や感情、思考を伝達し合うこと」です。

言葉や、文字・身振りなどが使われます。

ノンバーバルコミュニケーションとは、「言葉以外の情報をもとに相手の心情を汲み取るコミュニケーション」です。表情や・声・行動などの表現を通じて相手を理解することです。

レッスンの中では、たとえば回数設定の際に表情や呼吸の具合など見て増やすこともあれば減らすこともあって、そういったところで大切です。

レッスン前後でも、内容がわかりづらいところがないかどうか、言葉には出ていないけど理解できることが大切です。理解することができて、解決するように説明や言葉がけをすることができれば丁寧さを感じてもらえるでしょう。そして丁寧な様子は安心感を与えると思います。

トランジション

エクササイズとエクササイズの移行のタイミングです。フロースタイルのレッスンを作るためには、「どちらから寝返るのか」「どう立つのか」という基本動作(寝返る・立つ・座る)基本体位(仰向け・うつ伏せ・横向き)の移行の仕方を提供する必要があります。

どの向きから・どの体位に繋げてどのエクササイズへ移行するか、インストラクターは考えることを楽しむことができます。工夫してスムーズなレッスンを作り上げましょう。