技能とは、能力の要素の一つです。練習によって習得可能な能力を指します。
ピラティスティーチングの中の技能をお伝えします。インストラクターには、精度の良い「知識」「技能」「態度」が大切だと思います。
キューイング
キューイングは、「きっかけ」「手掛かり」「指示」のことです。インストラクターのキューイングに沿って生徒さまは動きを表現します。
キューイングには
- バーバルキューイング
- ビジュアルキューイング
- タクタイルキューイング
- イメージキューイング
があります。インストラクターがイメージした動きを生徒さまが表現してくれるように言葉を操ります。
はじめのうちは、「あれ、そういうことじゃなかったけどな」と小さな失敗もあるかもしれません。どういう言葉回しをすれば上手に表現してもらえるのか考えながら自分のスキルを上達させていきます。「伝わる」そして「表現(動く)」してもらえるところまでがゴールです。
インストラクター自身の探求として自分に求めていくものです。
フィードバック
綺麗な動きを表現していただくことができるようにキューイングを磨けたら、その動きが定着できるようにピラティスの原則を通じてフィードバックします。「今の動きは骨盤がニュートラルに保てていたので良かったですよ」のように生徒さまの動きに対して肯定的なメッセージを届けます。
現在の到達度を生徒さまと共有したり、「次はこうしましょう」と次回の目標を共有したりできます。さりげないモチベーションのマネージメントも提供できます。
「これは違うので、こうしてください」のように否定的なメッセージより受け入れてもらいやすい表現にして届けるように工夫しましょう。
ただし、マシンの説明で注意喚起するときやレッスンがインストラクターからの一方通行になってしまっている時には注意を向けるために使うこともあります。
フィードフォワード
動きの中の逸脱を経験すること、姿勢の種類によって修正するべきところを経験することによって予め動きの前に予想される修正ポイントをお伝えすることができるようになります。
これをフィードフォワードのキューイングと言います。予めお伝えしていたポイントの通りになった経験から生徒さまはインストラクターを信頼してくれるかもしれません。また、生徒さま自身に体の探求を楽しで頂ける機会になります。
生徒さまが「こういうことかな」を考えて、その動きがよく行えていたら「そういうことです」とフィードバックしてあげてください。「こういうことかな」の探求を予め提供できることでレッスンの流れをスムーズにコントロールすることができます。
こちらは、観察と経験によって行えるようになります。注意深く動きの逸脱と姿勢を観察するようにしていきましょう。
ノンバーバルコミュニケーション
コミュニケーションとは、「意思や感情、思考を伝達し合うこと」です。
言葉や、文字・身振りなどが使われます。
ノンバーバルコミュニケーションとは、「言葉以外の情報をもとに相手の心情を汲み取るコミュニケーション」です。表情や・声・行動などの表現を通じて相手を理解することです。
レッスンの中では、たとえば回数設定の際に表情や呼吸の具合など見て増やすこともあれば減らすこともあって、そういったところで大切です。
レッスン前後でも、内容がわかりづらいところがないかどうか、言葉には出ていないけど理解できることが大切です。理解することができて、解決するように説明や言葉がけをすることができれば丁寧さを感じてもらえるでしょう。そして丁寧な様子は安心感を与えると思います。
トランジション
エクササイズとエクササイズの移行のタイミングです。フロースタイルのレッスンを作るためには、「どちらから寝返るのか」「どう立つのか」という基本動作(寝返る・立つ・座る)基本体位(仰向け・うつ伏せ・横向き)の移行の仕方を提供する必要があります。
どの向きから・どの体位に繋げてどのエクササイズへ移行するか、インストラクターは考えることを楽しむことができます。工夫してスムーズなレッスンを作り上げましょう。